「お問い合わせが少ない…」の本当の原因とは?
ホームページからのお問い合わせがなかなか増えない…。これは多くの中小企業の経営者が抱える悩みです。問い合わせが来たと思ったら、営業につながらないことも多い。広告を出しても思ったような効果が出ず、「ホームページはあっても意味がないのでは」と感じてしまう方も少なくありません。
ですが、それはホームページが悪いのではなく、そもそも「設計図」がない状態で運用してしまっていることが原因です。
つまり、どんなお客さんに何を伝え、どう行動してもらいたいのか? その「流れ」が設計されていないと、せっかくのホームページも結果が出ません。
お問い合わせの本当の目的は「メールリスト」を集めること
中小企業にとって、ホームページは「名刺代わり」や「会社案内」ではありません。見込み客との接点をつくり、関係を育てていくための道具です。
特に重要なのが、「メールリスト(見込み客の連絡先)」を集めること。お問い合わせは、まさにその入り口になります。
例えば、1ヶ月に10人が問い合わせてくれたとして、そのうち今すぐ契約につながるのは2~3人かもしれません。でも、残りの7~8人とも「連絡が取れる状態」になっていれば、将来的に契約につながる可能性がありますよね。
この「リスト」が増えていけばいくほど、広告に頼らなくても安定して売上がつくれるようになります。つまり、**リストは「未来の売上のタネ」**なのです。
問い合わせの数も質も、「オファーの内容」で決まる
「お問い合わせはこちら」と書くだけでは、お客さんはなかなか動いてくれません。なぜなら、ほとんどの人は、「問い合わせる理由」がなければ行動しないからです。
そこで大事なのが、「オファー」の設計です。オファーとは、「このページを見ているあなたに、こういう特典を用意しました。こちらからどうぞ」といった“提案”のことです。
例えばこんな内容です:
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業界別の成功事例をまとめたPDFレポート(無料)
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初回限定の無料診断
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よくある悩みを解決するチェックリスト
こうしたオファーを通じて、見込み客が「ちょっと話を聞いてみようかな」と思えるきっかけをつくることで、問い合わせのハードルをぐっと下げることができます。
また、内容を具体的にすることで、質の高い問い合わせ(=本気でサービスを検討している人)を集めやすくなるのもメリットです。
多くの企業がやってしまっている3つの間違い
ここからは、よくある失敗例をご紹介します。せっかくホームページがあっても、次のような状態ではお問い合わせが増えるどころか、機会損失になってしまいます。
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「何をすればいいのか」が分からないページ
「お気軽にご相談ください」と書かれているだけで、何をどうすればいいのかが曖昧。これでは見込み客も迷ってしまいます。 -
メールアドレスを集める仕組みがない
フォームで問い合わせを受けても、そのままメールで対応して終わり…ではもったいない。リストとして蓄積・管理できていないと、継続的なフォローもできません。 -
ホームページ全体に導線がない
どのページからも「次に何をしてもらいたいのか」が見えない。ブログを読んでも、サービスページを見ても、次のアクションが設定されていないと、すぐに離脱されてしまいます。
「全体設計図」がなければ、成果は出ない
これらの失敗を防ぐには、ホームページ全体の「設計図」を描く必要があります。
たとえば営業に置き換えると分かりやすいです。営業担当が、名刺を配る人、商談する人、見積もりを出す人…と役割分担して連携しているからこそ、商談が成立しますよね。
ホームページも同じです。
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トップページは「興味を引く」役割
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ブログは「信頼を深める」役割
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サービスページは「提案を伝える」役割
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問い合わせページは「行動してもらう」役割
こういったように、ページごとに役割を決めて設計し、すべてが1つの流れになるように設計することが必要です。
お客様の「気持ちの流れ」に合わせて設計する「カスタマーステップ」
人が商品やサービスを購入するまでには、段階があります。これを「カスタマーステップ(お客さんの気持ちの流れ)」と呼びます。以下のような流れです:
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存在を知る(広告・検索・SNS)
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興味を持つ(ブログ・事例・動画)
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信頼する(無料資料・レビュー)
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比較する(価格・内容・実績)
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決断する(問い合わせ・契約)
ホームページを作るときは、これらのステップを意識して、「どのページがどの役割を持つのか」を明確にする必要があります。そうすれば、自然と問い合わせにつながる流れをつくることができます。
売上を安定させる「5つの仕組み」
最後に、ホームページをしっかり成果につなげるための5つのステップをご紹介します。これらを順に取り入れていけば、安定した売上の土台がつくれます。
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目的を決める
「お問い合わせ=リストを集める」と明確に定義する。ページの役割も見直しましょう。 -
価値あるオファーを作る
ターゲットが「欲しい」と思う資料や特典を用意する。できれば業界特化や限定性があると効果的です。 -
わかりやすい導線を設計する
トップページ、ブログ、サービス紹介などから「どこを見ればいいか、何をすればいいか」がわかるようにする。 -
リストを集めて、育てる
メールやLINEで定期的に役立つ情報を送る。すぐに売らなくても大丈夫。「この会社は信頼できる」と思ってもらえる関係性を作ることが大事です。 -
商談までの流れを整える
問い合わせ後に自動返信メールを送る、ヒアリング項目を準備する、事前にサービス内容を伝えるなど、スムーズに進むように整備します。
この5つのステップを意識して、あなたのホームページを「ただの会社案内」から「売上を生む仕組み」に進化させてみてください。大事なのは、テクニックよりも「全体の流れ」を考えて設計することです。
「もっと広告を出す」前に、「ちゃんと仕組みができているか?」を見直すこと。それが、中小企業がWEBを使って成果を出す一番の近道です。