こんにちは!重富プラスのです。
いつも弊社のジャーナル記事をご覧いただき、ありがとうございます。
先日、2025年5月30日・31日に福岡国際センターで開催された「九州印刷情報産業展」に参加してきました!
今年のテーマは「融合と変革」。オンラインとオフラインを結ぶ新技術や、地域発のユニークな取り組みに多くの刺激を受けました。
本記事では、当日の体験を振り返りながら、印刷業界の今とこれからをレポートします。
オンラインとオフラインの融合が拓く、新時代の印刷業
クロスメディアとは、複数のメディアを連携させて情報を発信するマーケティング手法です。
2025年5月30日(金)・31日(土)の2日間、福岡国際センターにて開催された「2025年度 九州印刷情報産業展(Kyushu Integrated Information Show/KIIS)」に、私たち重富プラスの社員が参加してきました。今年の展示会テーマは「融合と変革、優位性を目指して」。特に、オンラインとオフラインの統合によって広がる新たなビジネス領域や、九州発の最新デジタル技術が次世代へどのような可能性を拓くのかに焦点が当てられており、単なる機材展示にとどまらない深い学びと気づきを得ることができました。
この記事では、私たちが実際に体験した展示会の内容を三つの視点——「融合するデジタルとアナログ」「進化する地域と印刷」「体験とグルメの交差点」からレポートし、最後に感じたことをまとめてご紹介します。
融合するデジタルとアナログ:印刷の本質が再定義されるとき
会場に入って最初に私たちが感じたのは、今年の展示の多くが「デジタルとの融合」を強く意識した構成になっていたことです。もはや印刷機や加工機を「見る」だけではなく、「つながる」「計測する」「連動する」といったキーワードが飛び交っており、従来の印刷の枠を超えた可能性が随所に示されていました。
例えば、ある大手メーカーのブースでは、印刷物にAR技術を付加することで、スマートフォンをかざすだけで動画やECサイトにリンクする販促ツールを紹介。紙の持つ「物理的な安心感」と、デジタルの「即時性・拡張性」を組み合わせることで、印刷は単なる情報の出力装置ではなく、「双方向メディア」へと進化していました。
また、印刷工程そのものにもデジタル化の波が押し寄せています。デジタルプリンタとクラウドベースの生産管理システムが連携し、オンライン注文から製造・配送までをワンストップで管理するプラットフォームの展示も印象的でした。これは、今後ますます拡大が予想されるオンデマンド印刷市場において、中小印刷会社でも競争力を維持するための大きな武器となるはずです。
印刷が「終点」ではなく、「起点」としてさまざまなチャネルとつながっていく姿を目の当たりにし、業界全体が大きな転換期にあることを実感した瞬間でした。
進化する地域と印刷:九州が描く「次世代」の可能性
本展示会が持つもう一つの大きな魅力は、「地域性」と「未来性」が融合した展示構成にあります。特に今回は、九州各県の中小企業や自治体、教育機関と連携したブースが多く出展しており、「印刷会社が地域の課題解決にどう関与できるか」という視点からも多くのヒントが得られました。
一例として、福岡県内の老舗和菓子店と協業した “ストーリーパッケージ” の展示では、商品に込められた歴史や想いを印刷物で丁寧に表現し、QRコードを通じて観光案内やインバウンド向け動画に接続するという仕組みが紹介されていました。このような、“紙からデジタルへの「導線設計」” は、印刷業の新しい可能性を感じさせてくれました。
また、環境負荷の低減に貢献する再生紙の開発プロジェクトや、カーボンオフセット印刷も注目を集めており、さまざまな取り組みに、私たちも地域企業として大いに関心を持ちました。
「印刷=大量生産」の時代は過去のものとなり、いまや “価値を伝える印刷” が主流です。地元の農産品、観光資源、伝統工芸品など、九州という土壌には無数の物語が存在し、それを形にする手段として印刷が再注目されているのだと感じました。
体験とグルメの交差点:展示会に込められた「五感」の演出
今回のKIIS2025は、ただ技術を見せるだけでなく、「体験する」ことにも重きを置いた演出が多く見られました。たとえば、来場者が実際に箔押し加工を体験できるブースや、UVプリンタでスマホケースをその場で制作できるコーナーなど、“印刷でつくる”楽しさを五感で味わえる場が多数設けられていました。
特に印象的だったのは、レーザー加工機で木材に名入れをするワークショップや、AR絵本制作の実演。子どもから大人まで楽しめる内容で、印刷技術がいかに「人と人をつなぐ」力を持っているかを再認識させられました。
そして、もう一つ大切な「体験」として忘れてはならないのが、会場外のキッチンカーグルメです。今回は福岡市内や九州各地から個性豊かなキッチンカーが集結し、まるでフードフェスのような雰囲気に包まれていました。
ハンバーガー、ラーメン、たこ焼き等のお食事やマカロン、クレープ等のスイーツ系もありました。展示会場で最新技術に触れたあとは、地元の味覚でしっかりエネルギーを補給。社員同士の会話も自然とはずみ、技術と人間味が交錯するこの場ならではの空気感に、深く心が和みました。
まとめ:融合する価値の中で、私たちが果たすべき役割
2日間にわたって開催された「九州印刷情報産業展2025」は、単なる展示の場ではなく、業界の未来像を探る “問いの場” であったと感じています。デジタルとアナログの融合、地域とのつながり、サステナビリティの追求、そして人の手と感性が生み出す体験価値——それぞれがバラバラではなく、有機的につながっていることを、今回の展示会は私たちに示してくれました。
重富プラスとしても、印刷の本質を再定義しながら、お客様や地域社会とともに、次なる価値創造に挑んでいく時期に来ていると感じています。技術の導入はもちろん大切ですが、それ以上に重要なのは、それをどう使い、誰とどうつながるか。そうした視点を、今回の展示会は改めて私たちに投げかけてくれました。
「オンライン」と「オフライン」、「技術」と「感性」、「地域」と「未来」。これらを掛け合わせることでしか見えてこない答えがある——そんな可能性に気づかせてくれた2日間。来年の展示会では、私たち自身が何を持って再びこの場に立てるか、それが今から楽しみです。